B.顔料インク 顔料、つまり水に溶けない色素を主原料としたインクである。一般には黒色のものが多く、 これにはカーボンブラックを用いている。その筆跡は強く、不滅であるが、 粘度が大きく万年筆用としては不適で、主に鋼ペン用又はカラス口用である。 商品として売り出されているものに、製図用インク(黒)、朱墨汁(朱)などがあり、 一般の墨汁もこの分野に入るインクである。
C.混合型インク 化学型インクともいい、染料と顔料又は有機レーキ(水に溶けない物質) との混合物が主成分である。万年筆用として用いられ、かつ筆跡も顔料インク同様に強く 不滅であり、筆記用インクとしての性能を備え持っている。 いくつか種類をあげると、
ブルーブラックインク タンニン酸第1鉄が空気中の酸素によって酸化され、1週間ほどでタンニン酸第2鉄に変化し黒色に変わる化学変化をインクに応用したもので、 この第2鉄は耐水性、対光性に非常に強く、永久的にその筆跡を残す。
タンニン酸染料インク 最近になって、カートリッジ式万年筆が普及するにつれ、 常に一定の性能で用いられる万年筆カートリッジ用インクとしては最適のものである。
万年筆用黒インク(リアルブラック) カーボンブラック(顔料)と黒色染料を併用したインクで、 万年筆に使用できる唯一の黒色インクである。